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Pixelmonがゲーム開発終了、失敗から見るWeb3ゲームの現実
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Pixelmonがゲーム開発終了、失敗から見るWeb3ゲームの現実

RRen.S(gamefi.jp編集部)公開日: 2026-09-16

📋 この記事のポイント

  • 1NFTプロジェクトPixelmonがゲーム開発を終了。
  • 2外部パブリッシャーによるテスト結果、過去の炎上から再建までの経緯、NFT・MON保有者が今後確認すべき点を整理します。
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Pixelmonは2026年9月、進行中だったゲーム開発をすべて終了し、ゲーム部門を縮小すると発表した。 直接の契機は、外部パブリッシャーによる約3週間のテストで、継続投資につながる商業条件を得られなかったことだ。 これはPixelmonというIP自体の即時終了を意味しないが、ゲームを中核に据えてきた従来の事業構想は大きな転換点を迎えた。

Pixelmonがゲーム開発終了を発表

BlockchainGamer.bizの報道によると、Pixelmonはゲーム開発を停止し、開発を担当していたチームを削減した。発表はPixelmonの公式Discordで行われ、コアチームは残るものの、今後は「ほかの事業領域」に重点を移すとしている。その具体的な内容は、記事公開時点では明らかにされていない。

判断の前には、外部パブリッシャーによる約3週間のプレイテストが実施された。パブリッシャー側は自社のマーケティング予算や分析手段を使い、ユーザー獲得後の継続率などを検証したとされる。しかし、結果は長期的な商業契約を提示できる水準には届かなかった。

パブリッシャーからは、さらに改良して再テストする選択肢も示されたという。それでもPixelmon側は、追加の資金と時間を投入する合理性が低いと判断し、既存ゲームの改善や再テストを続けない道を選んだ。

重要なのは、単なる開発遅延ではなく、ゲーム部門そのものを終了する方針が示された点だ。開発中タイトルの再開時期が延期されたのではなく、従来のゲーム事業計画が打ち切られたと考えるべきだろう。

外部テストで問題になったプレイヤー継続率

今回の判断で中心になったのは、グラフィックの品質やブロックチェーン機能ではなく、プレイヤーを継続的に引き付けられるかという商業面の評価だった。

ゲームパブリッシャーは一般に、広告などで獲得した利用者が翌日以降も遊ぶか、課金やコミュニティ参加につながるか、獲得費用を回収できるかを確認する。Pixelmonの発表では詳細な測定値は開示されていないため、具体的な継続率や広告費用対効果を外部から断定することはできない。

ただし、パブリッシャーが長期契約を見送ったという結果は、少なくとも現在のゲーム内容と集客条件では、追加投資を正当化できる十分な手応えが得られなかったことを示している。

Web3ゲームでは、NFT販売額、ウォレット接続数、トークン配布への参加者数が注目されやすい。一方、ゲーム事業を持続させるには、報酬目的ではないユーザーが繰り返し遊ぶ理由も必要だ。Pixelmonの事例は、強いブランド認知やNFTコミュニティを保有していても、ゲームとしての継続利用が自動的に生まれるわけではないことを改めて示した。

2022年のNFT販売とアート公開を巡る混乱

Pixelmonは2021年に始動し、NFTのモンスターを操作できるオープンワールドRPG、仮想土地、Play-to-Earn要素などを掲げた。2022年2月のGenesis NFT販売は、3 ETHから始まるダッチオークション方式で実施され、BlockchainGamer.bizによれば約7,000万ドルを調達した。

ところが、その後に公開された3Dアートは、販売前の宣伝から購入者が想像していた品質との隔たりを指摘され、大きな批判を招いた。なかでも緑色のキャラクター「Kevin」は、その独特な外見から暗号資産コミュニティのミームとして拡散した。

この出来事によって、PixelmonはNFTブーム期を象徴する失敗例の一つとして知られるようになった。高額なNFT販売で先に資金を集めた一方、購入者が期待するゲームやアートを同じ速度で提供できなかったためだ。

なお、後年の運営チームと当初の販売主体は区別する必要がある。2022年にLiquidXがプロジェクトへ参画し、Giulio Xiloyannis氏の下で再建が進められた。今回ゲーム部門を終了したチームが、Genesis販売で集められた約7,000万ドルの全額を直接調達・運用していたと単純化するのは正確ではない。

LiquidXによる再建とゲーム事業の拡大

LiquidX主導の新体制は、キャラクターデザインの刷新、IP利用方針の整理、複数ゲームの開発を進めた。Pixelmon公式ブログによると、2023年にはカジュアルゲーム「Kevin the Adventurer」をBase上で公開し、ユニークプレイヤーは3万6,000人に達したとしている。

続いて、ペット育成、土地管理、カードバトルを組み合わせた「PixelPals」を展開したほか、より本格的な戦闘ゲームとして「Hunting Grounds」や「The Warriors of Nova Thera」の開発状況も発信していた。Immutableは2024年、PixelmonがImmutable zkEVM上で展開する計画を公表している。

Pixelmonは2024年に800万ドルのシード資金を調達した。Animoca Brands、Delphi Ventures、Amber Groupなどが参加し、再建後のPixelmonを複数ゲームと分散型IPのエコシステムへ発展させる構想が示された。

しかし、ゲームを実際に公開した実績と、事業として継続可能であることは同じではない。「Kevin the Adventurer」の初期参加者数やPixelPalsのイベント実績があっても、本格的なパブリッシング契約を成立させるには、長期的な継続率や収益性の証明が別途必要だった。

MON ProtocolとPixelmon IPへの影響

Pixelmonはゲーム開発と並行して、MON ProtocolをゲームIPやパートナータイトルを支援するネットワークとして展開してきた。Pixelmon公式のトークノミクスでは、MONはERC-20トークンで、発行上限は10億枚とされている。また、Pixelmonゲーム内の決済、ガバナンス、コミュニティ、IP関連の用途が説明されている。

ゲーム部門の終了により、PixelmonをMON Protocolの旗艦IPとして位置付けてきた構想は再評価を迫られる。もっとも、ゲーム開発停止だけを根拠に、MON ProtocolやPixelmon NFTが直ちに消滅すると断定することはできない。コアチームは存続するとされており、IPのライセンス、休止、コミュニティへの移管など複数の選択肢が残る。

NFT保有者やMON保有者が確認すべきなのは、市場価格だけではない。Pixelmon IPの管理主体、既存ゲームのサーバー運営期間、NFTに付随する権利、MONの用途変更、未公開タイトルの扱い、コミュニティ提案の意思決定方法を分けて確認する必要がある。

Pixelmonの戦略文書には、Genesis NFT保有者とゲーム側のIP利用関係を含む分散型IP構想が記載されている。ただし、将来その構想がどの範囲で維持されるかは、今回の発表だけでは判断できない。

保有者とプレイヤーが今後確認すべきこと

第一に確認したいのは、公式Discordや公式サイトで発表されるタウンホールの内容だ。BlockchainGamer.bizは9月18日にコミュニティ向け説明会が予定されていると報じている。ただし、元記事には日付と曜日の対応に不整合があるため、参加する場合は公式Discordの最新案内で開始日時とタイムゾーンを確認したい。

第二に、個別タイトルの運営状況を確認する必要がある。「PixelPals」「Kevin the Adventurer」「Hunting Grounds」「Wardens Ascent」などは、開発状況や公開段階が異なる。ゲーム開発終了が、全タイトルの即時閉鎖、段階的なサービス終了、第三者への譲渡のどれを意味するのかは、タイトルごとの告知を見るべきだ。

第三に、NFTの権利とゲーム内用途を分けて考えることが重要だ。NFTの保有記録はブロックチェーン上に残っても、ゲーム内機能、公式サイト、画像配信、マーケット連携が永続するとは限らない。メタデータや画像が外部サーバーに依存している場合は、その運用方針も確認項目になる。

第四に、コミュニティによる事業承継案が出た場合でも、実現可能性を慎重に見る必要がある。ソースコード、商標、キャラクターIP、ユーザーデータ、開発者契約、サーバー費用は別々の資産と責任である。NFT保有者の投票だけでゲーム運営を引き継げるとは限らない。

まとめ

Pixelmonのゲーム開発終了は、2022年のNFT販売からLiquidXによる再建、カジュアルゲームの公開、MON Protocol構想へと続いた長期的な試みが、大きな転換点を迎えたことを意味する。

直接の要因は、外部パブリッシャーによる約3週間のテストで、追加投資に足る継続率や商業性を示せなかったことだ。強い知名度、資金調達、NFTコミュニティがあっても、遊び続けてもらえるゲームを作り、持続可能なユーザー獲得モデルを成立させる課題は残った。

今後の焦点は、Pixelmon IP、既存NFT、MON Protocol、各ゲームタイトルがそれぞれどのように扱われるかに移る。保有者とプレイヤーは、二次市場の反応だけで判断せず、公式発表で権利関係、サービス継続期間、移管条件、トークン用途の変更を確認することが重要だ。

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