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AnimocaとCurrencが逆さ合併協議を停止、上場方針は継続
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AnimocaとCurrencが逆さ合併協議を停止、上場方針は継続

RRen.S(gamefi.jp編集部)公開日: 2026-09-23

📋 この記事のポイント

  • 1Animoca BrandsがCurrenc Groupとの逆さ合併協議を停止しました。
  • 2取引の仕組み、監査対応との関係、The SandboxなどWeb3ゲーム関連事業への影響、今後の上場シナリオを公式資料から解説します。
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Animoca Brandsは、Nasdaq上場企業Currenc Groupとの逆さ合併に関する協議を相互合意で停止した。 ただし、主要取引所への再上場方針そのものは維持しており、今回の決定は上場計画の全面撤回ではない。 The SandboxやMoca Networkなどの関連プロジェクトに、直ちに運営変更が生じると発表されたわけでもない。

Animoca BrandsとCurrenc Groupが合併協議を停止

Animoca Brandsは2026年9月22日、Nasdaqに上場するCurrenc Groupとの逆さ合併をめぐる協議を、両社の合意により停止したと発表した。

両社は取引完了までの見込み期間と市場環境の変化を検討した結果、手続きを完了するまでに必要な期間が、それぞれの短期・中期の戦略目標と合わなくなったと説明している。将来、条件が整えば協議を再開する可能性は残されているものの、再開時期や取引完了は保証されていない。

Currenc Groupが米国証券取引委員会へ提出した資料では、独占交渉期間が終了し、最終的な合併契約の条件を確定できなかったことも停止理由として示された。Currenc側は、協議停止によって事業運営や成長に必要な資金調達を追求しやすくなるとしている。

重要なのは、両社が「成立済みの合併契約を解除した」のではない点だ。2025年に締結されたのは一部条項を除いて法的拘束力を持たないタームシートであり、最終契約、株主承認、規制上の承認などは未完了だった。

計画されていた逆さ合併の仕組み

当初の構想は、Currenc Groupがオーストラリア法上のスキーム・オブ・アレンジメントを通じてAnimoca Brandsの全発行済み株式を取得するものだった。形式上はNasdaq上場企業であるCurrencが買収主体になる一方、取引後はAnimoca Brandsの既存株主が統合会社の約95%、Currencの既存株主が約5%を保有する想定だった。

このように、上場企業が非上場企業を取得しながら、経済的には非上場企業側の株主が統合会社の大半を所有する取引は、一般に逆さ合併と呼ばれる。Animoca Brandsにとっては、通常の新規株式公開とは異なる経路でNasdaq上場グループの中核になる構想だった。

2025年11月の発表では、The Sandbox、Moca Network、Open Campusなどを含むAnimoca BrandsのWeb3事業と投資ポートフォリオに、公開市場からアクセスできる枠組みを作ることが期待されていた。ただし、取引は当初から条件付きであり、両社による法務・財務デューデリジェンス、取締役会の承認、Animoca Brands株主の承認、必要に応じたCurrenc株主の承認、オーストラリアの裁判所による承認などが必要だった。

当初は2026年中の実施が想定され、その後のCurrencによる発表では2026年第3四半期を目標時期、同年12月31日をロングストップ日とする計画が示されていた。しかし、その前提となる最終契約には至らなかった。

監査済み財務諸表が重要だった理由

Animoca Brandsは、主要取引所への再上場に向けた財務コンプライアンス対応を進めている。2026年1月に2022年度、同年7月17日に2023年度の年次報告書を公開した。9月22日の発表時点では、2024年度の監査済み財務諸表も準備中と説明している。

元のタームシートには、Animoca Brandsが2022年度から2025年度までの監査済み財務諸表をオーストラリア証券投資委員会へ提出することが、取引実行の主要条件として記載されていた。逆さ合併は上場への経路を変える仕組みではあるが、監査や情報開示を省略する手段ではない。

もっとも、両社は監査作業の遅れだけを協議停止の直接的な原因とは発表していない。公式説明は、完了までの予定期間、市場環境、独占交渉期間の終了、最終契約を確定できなかったことを挙げている。そのため、「監査の遅れが合併を破談にした」と断定するのは適切ではない。

一方で、複数年度の監査対応が取引完了までの工程に含まれていたことは公式資料から確認できる。監査完了時期が定まらない状態で、Animoca BrandsとCurrencが特定の取引構造に経営資源を拘束し続けることには、双方にとって実務上の負担があったと考えられる。

Animoca Brandsは上場を断念したのか

結論として、Animoca Brandsは上場方針を撤回していない。同社は発表の中で、主要な公開取引所への再上場に引き続き全面的に取り組むと明記した。

共同創業者兼エグゼクティブチェアマンのYat Siu氏は、Currencとの計画を評価しつつも、現在は企業としての機動性を優先すると説明している。また、主要取引所の厳格なコンプライアンス基準を満たすための包括的な監査を進めながら、最適な上場経路を追求すると述べた。

したがって今後は、Currencとの協議再開、別の上場企業を利用した取引、通常のIPOなど、複数の可能性が考えられる。ただし、Animoca Brandsは次の取引相手、上場市場、具体的な方式、実施時期を公表していない。現段階で特定のシナリオを既定路線として扱うべきではない。

Currencについても、今回の停止で会社そのものがAnimoca Brandsに統合される前提がなくなった。今後は同社独自のAI金融サービスやWeb3関連事業、資金調達の進展を、Animoca Brandsとは分けて確認する必要がある。

The SandboxなどWeb3ゲームへの影響

Animoca Brandsは、The Sandbox、Open Campus、Anichess、Moca Networkなどを構築・支援し、Web3企業への投資も行っている。このため、合併協議停止はGameFi市場にとって無関係な企業金融ニュースではない。

ただし、今回の公式発表には、The Sandboxの仮想世界、Open Campusの教育関連エコシステム、Anichessのゲーム開発、Moca NetworkのデジタルID基盤を停止または縮小するとの記載はない。合併協議の停止と、個別プロジェクトのサービス終了やロードマップ変更を直接結び付ける根拠は現時点で示されていない。

実務的に注目すべきなのは、上場によって期待されていた資本市場へのアクセスや株主向け流動性が、予定どおりの時期には実現しなくなったことだ。公開企業としての資金調達や情報開示の枠組みが整えば、Animoca Brandsの投資活動やゲーム関連事業にも間接的な効果が及ぶ可能性があった。しかし、その効果はまだ実現していないため、失われた確定利益として扱うこともできない。

プレイヤーや開発者は、合併ニュースだけで判断せず、The SandboxやOpen Campusなど各プロジェクトの公式ロードマップ、資金調達、製品更新、トークン関連の告知を個別に確認する必要がある。Animoca Brandsの上場計画と、各ゲームやプロトコルの日常的な運営は関連し得るものの、同一ではない。

今後確認すべきポイント

第一の焦点は、2024年度以降の監査済み財務諸表だ。Animoca Brandsが公表済みの財務コンプライアンス工程をどこまで進められるかは、将来の上場方法にかかわらず重要になる。

第二に、CurrencとAnimoca Brandsが協議を再開するか、それとも別の選択肢へ進むかを確認したい。CurrencのSEC提出資料は、再交渉する場合も取引条件、構造、日程、デューデリジェンス、必要な承認を改めて交渉するとしている。以前の95%対5%という比率や完了予定日が、そのまま復活するとは限らない。

第三に、Animoca Brandsが上場準備と事業運営をどのように両立させるかが注目点になる。同社はThe SandboxなどのWeb3ゲームだけでなく、Moca Network、Open Campus、AI関連プラットフォームなど複数分野を展開している。上場経路の変更が投資配分や個別事業に影響する場合は、今後の公式発表や財務資料に表れる可能性がある。

読者は、株価から算出された一時的な評価額や、未確定の上場時期を確定情報として受け取らないことが重要だ。今回確認された事実は、合併協議が停止されたこと、元の独占交渉期間が終了したこと、最終契約に至っていないこと、そしてAnimoca Brandsが再上場方針を維持していることまでである。

まとめ

Animoca BrandsとCurrenc Groupは、2025年から検討していた逆さ合併の協議を2026年9月に停止した。取引はCurrencがAnimoca Brandsを取得し、Animoca Brands株主が統合会社の約95%を所有する構想だったが、独占交渉期間の終了後も最終契約には至らなかった。

Animoca Brandsは監査済み財務諸表の整備を続けており、主要取引所への再上場方針も維持している。ただし、新しい上場方式や日程は未発表だ。The Sandbox、Open Campus、Anichess、Moca Networkなどについても、今回の決定に伴う運営停止や縮小は発表されていない。

今後は合併協議の再開観測だけでなく、監査報告書の公開、具体的な上場経路、各Web3ゲーム関連プロジェクトの公式更新を分けて追うことが重要になる。

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