BlockchainGamerの週間まとめは、Abstractで成長したWeb3ゲームが、新たなチェーンと持続型ゲームへ移行する局面を伝えた。 中心となるのはGigaverse、Cambria、Yield Fieldsの3作品だ。ただし、移行先やNFT販売が注目を集める一方、資産の互換性、トークンの用途、正式な開始時期には未確定事項も残る。
今週の焦点は「Abstract後」の事業継続
2026年10月16日付のBlockchainGamer週間まとめでは、Abstractを主な活動基盤としてきた高リスク・高報酬型ゲーム、いわゆる「degen game」の次の動きが取り上げられた。
Gigaverseでは期間イベント「The Awakening」が終了した。公式サイトにもゲームがオフラインになり、終了時点のゲーム状態を保存したことが掲示されている。Cambriaは新たな永続型ゲーム世界「Cambria Genesis」とRSGPを軸に展開を進め、Yield FieldsはRobinhood Chain上でFounding Deedsを販売した。
3作品に共通するのは、単純に既存ゲームを別チェーンへ移すのではなく、ゲーム設計、資産構成、収益モデルを組み直している点だ。元記事はその背景として、Abstractの終了方針を挙げている。AbstractのXP獲得を中心とした活動から、プレイヤーが長期的に遊び、取引する仕組みへ移れるかが次の課題になる。
なお、チェーンの移行とゲーム内資産の移行は同じではない。旧NFTやアイテムを新作で利用できるか、同名の資産が同じ機能を持つかは、各プロジェクトの公式案内で個別に確認する必要がある。
GigaverseはThe Awakeningを終え、次の世界を準備
Gigaverseは、ブラウザで遊べるレトロ調RPGとしてAbstract上でユーザーを獲得してきた。ダンジョン攻略とプレイヤー主導の経済を組み合わせ、失敗すれば成果を失う緊張感をゲームの中心に据えていた。
公式サイトでは「The Awakening has concluded」と案内され、Gigaverseが現在オフラインであること、終了時点のゲーム状態を保存したこと、レースやデュエル、マーケット取引を一時停止したことが確認できる。一方、報酬の受け取りや一部機能については「今後案内する」とされており、すべての手続きが完了したわけではない。
BlockchainGamerによれば、次作Gigaverse OnlineはRobinhood Chainでの展開を目指している。従来の区切られたダンジョン型ゲームから、継続的にプレイヤーが存在するオンライン世界へ拡張する構想だ。ただし、正式な公開日、旧アイテムの具体的な利用方法、新旧資産の対応関係は、今回確認したGigaverse公式ページだけでは確定できない。
既存プレイヤーは、ウォレットを接続する前に公式ドメインを確認し、Redeemページの再開や資産移行に関する告知を待つべきだ。移行期には、偽の請求ページやエアドロップを装ったリンクが出やすいため、SNS上の返信欄だけを根拠に署名しないことも重要になる。
CambriaはGenesisとRSGPを中心に再設計
Cambriaは、プレイヤー同士が資産を賭ける戦闘や、危険な地域から戦利品を持ち帰るゲーム設計で知られる。初期の短期的な競争を、継続的なオンラインRPGへ発展させようとしている点がGigaverseとの共通項だ。
週間まとめでは、Charter NFTの発行が完了し、RSGPがBaseで展開される見通しが紹介された。ここで注意したいのは、Charter NFTの発行チェーン、RSGPの展開先、Cambria Genesisのゲーム環境を一つのチェーン上の同一機能として扱わないことだ。NFTを保有しているだけで、別チェーン上のトークンやゲーム内権利を自動的に受け取れるとは限らない。
また、RSGPの取引開始、配布条件、ロックや請求手続きについては、予定と実施済みの内容を分けて読む必要がある。DEXに同名トークンが表示されても、公式コントラクトが公開される前に正規資産だと判断するのは危険だ。
Cambriaを追う読者は、公式サイトと運営チームの告知で、RSGPのコントラクト、対象ウォレット、Charter保有者の権利、Genesisへの参加条件を照合したい。元記事が伝える「Baseでの展開」は重要な方向性だが、未公開の仕様まで推測して売買判断へ結び付けるべきではない。
Yield FieldsはNFT保有者と一般参加者を分ける
Yield Fieldsは、Onchain Heroesの開発者Skarlyが手掛ける農業ゲームとして紹介されている。プロジェクト公式Xによると、Founding Deedsは3,333点で、各NFTにはランダムな希少性とメタデータが設定される。
重要なのは、Deedを持っていないプレイヤーも農業ゲームに参加できると公式が説明している点だ。Deed保有者には、ゲームプレイを通じて資源を生み出す別のループが用意されるという。つまり、NFTはゲームへの入場券ではなく、一般参加とは異なる資源獲得経路を持つ資産として設計されている。
BlockchainGamerは、Founding DeedsがRobinhood Chain上で完売し、大規模な販売額を記録したと報じた。ただし、本稿では販売総額についてプロジェクト公式資料による確認が取れなかったため、具体額を採用しない。二次流通価格や販売規模だけで、実際のプレイヤー需要やゲームの継続性を評価することはできないからだ。
購入を検討する場合は、NFTの希少性だけでなく、資源の用途、生成上限、ゲーム内での消費先、売買可能性、仕様変更の権限を確認したい。公式説明では「別のループ」が示されているものの、その収益性や資源価値が保証されているわけではない。
Robinhood Chainが選ばれる背景
Robinhoodは2026年7月1日、Robinhood Chainのパブリックメインネットを正式に開始した。公式発表によると、同チェーンはArbitrum Platformを利用して構築されたパーミッションレスなLayer 2で、金融サービスとトークン化された現実資産を主な対象としている。
Gigaverse OnlineやYield Fieldsのような作品にとって、金融アプリやDEXとの接続を前提としたチェーンは、ゲーム内取引を設計しやすい環境になり得る。ただし、DeFi向けの流動性が存在することと、ゲームが多数の継続利用者を獲得することは別問題だ。
ゲーム運営側には、ウォレット導線、ブリッジ、マーケット、トークン交換などを一体化しやすい利点がある。一方のプレイヤー側には、スマートコントラクトのリスク、価格変動、偽トークン、ネットワーク間移動の操作ミスが加わる。Robinhoodという知名度だけで、個別ゲームやNFTの安全性まで保証されるわけではない。
今回の動きは、チェーンがゲームを囲い込む時代から、ゲーム側がユーザー層、流動性、開発環境を比較して展開先を選ぶ時代へ移っていることを示す。Abstractで形成されたコミュニティが、そのままRobinhood ChainやBaseへ移るかは今後の利用データを見る必要がある。
プレイヤーが移行前に確認すべきこと
Gigaverse、Cambria、Yield Fieldsを追う際は、まず「確定済み」「予定」「報道上の見通し」を分けて整理したい。
GigaverseではThe Awakeningの終了と機能停止が公式に確認できる。一方、Gigaverse Onlineの正式な公開時期や旧資産の全用途は未確定だ。CambriaではGenesisとRSGPを軸にした移行が進むものの、トークン請求やCharter NFTとの関係は公式の最終仕様を待つ必要がある。Yield FieldsではDeedを持たないユーザーも参加でき、保有者には別の資源獲得ループがあることが公式に示されている。
実際に操作する前には、公式サイトから移動したリンクか、コントラクトアドレスが公式発表と一致するか、署名内容が単なるログインか資産移転の承認かを確認する。旧チェーンから資産を移す場合も、独自判断で一般的なブリッジへ送らず、プロジェクトが指定した手順を優先したい。
NFTの完売や取引額は注目度を示す材料にはなるが、ゲーム品質、利用者の定着、資源需要、運営収益の持続性を直接証明するものではない。先行参加の特典よりも、公開後のゲーム内容と経済設計を確認する方が、長期的な判断には有効だ。
まとめ
2026年10月のWeb3ゲーム市場では、Abstractで支持を集めたGigaverse、Cambria、Yield Fieldsが、それぞれ次の展開へ進み始めた。GigaverseはThe Awakeningを終了し、Yield FieldsはRobinhood ChainでNFTを展開。CambriaはGenesisとRSGPを中心とした新体制を進めている。
一方、旧資産の互換性、トークンの正式仕様、各ゲームの公開時期には未確定事項が残る。読者が次に確認すべきなのは、価格や完売実績ではなく、公式コントラクト、請求条件、資産の用途、ゲーム開始後の継続利用状況だ。今回の3作品が示すのは、チェーン移行そのものより、金融的な熱量を持続可能なゲーム体験へ変えられるかというWeb3ゲーム共通の課題である。

