Axie Vibeathonは、AIコーディングツールを活用して「Axie Core」を中心としたブラウザゲームを制作するオンライン開発大会です。 賞金総額は20,000 bAXS。プログラミング経験を問わず参加できますが、遊べる作品、明確なゲーム構想、Axieとの必然的な結び付きが求められます。
Axie Vibeathonとは
Sky Mavisは2026年9月、Axie Infinityを題材にしたゲーム開発大会「Axie Vibeathon」を開始しました。AIに指示を書きながらコードを組み立てる、いわゆる「バイブコーディング」をゲーム制作へ応用する試みです。
参加者が作るのは、説明資料や映像だけではなく、ブラウザ上で実際に操作できるゲームです。作品は参加者自身が管理するサーバーやホスティングサービスで公開し、審査ページにはプレイ用リンクを提出します。大会側のプラットフォームへゲーム本体をアップロードする方式ではありません。
Sky Mavisは使用エンジンを指定していません。そのため、Three.jsによる軽量な3Dゲーム、UnityやGodotから出力したWeb向けビルド、HTML5とJavaScriptによる2D作品など、企画に合う技術を選択できます。ただし、端末固有の環境でしか動かないデモではなく、審査員がリンクを開いて遊べる状態にする必要があります。
本大会の賞金総額は20,000 bAXSです。BlockchainGamerは発表時の市場価格を基に約18,000ドル相当と報じていますが、公式に定められた賞金は米ドルではなくbAXS建てです。相場によって換算額が変化する点には注意が必要です。
開催スケジュールと二段階の選考
Axie Vibeathonは、短期間で完成品を作る一般的なゲームジャムとは異なり、プロトタイプと製品化を分けた二段階制です。
登録期間は2026年9月1日から7日まで。第1ラウンドは9月8日から21日まで行われ、参加者は操作可能なプロトタイプ、完成版のビジョン、作品がAxie Coreに適合する理由を提出します。
最終候補は9月29日に発表され、最大8作品が第2ラウンドへ進出します。第2ラウンドの制作期間は10月4日から31日までです。この段階では、プレイヤーが繰り返し楽しめる完全なゲームループに加え、Sky Mavisの承認を受けたエコシステム連携を実装します。最終デモと受賞作品の発表は11月5日に予定されています。
この構成は、Axie Infinity: Originsのような大規模作品を最初から再現するのではなく、まず「面白さの核」を検証し、選考後にAxie素材やブロックチェーン連携を仕上げる考え方です。第1ラウンドでは小さくても遊べる作品を優先し、第2ラウンドで継続性やエコシステムとの接続を深めるのが合理的でしょう。
応募作品に必要な提出物
応募者はSky Mavis Accountで参加し、提出できる作品は1人につき1件です。ただし、各締切前であれば更新版を再提出でき、最後に確定した有効なバージョンが審査対象になります。
提出時には、ゲームタイトル、一文で魅力を伝えるピッチ、短い紹介文と詳細説明、サムネイル、プレイ用リンク、操作方法、初回プレイ時の案内が必要です。さらに、コードリポジトリへのリンク、予備のデモ動画、使用したAIツールの記録、Axie Coreとの適合性を説明する文章も用意します。リポジトリは非公開のまま提出できます。
実務上、特に重要なのが予備動画と操作説明です。Three.jsで制作したゲームが審査環境のブラウザで正常に描画されなかった場合でも、動画があれば本来の動作を示せます。反対に、優れたAxie Infinityの企画でも、開始ボタンや操作キーが分からなければ評価されにくくなります。
公開前には、初回ロード、スマートフォン表示、キーボードとマウス操作、音量設定、ゲームオーバー後の再開を確認しておきたいところです。AIが生成したコードについても、外部ライブラリのライセンス、不要な通信、公開リポジトリに含まれる秘密情報を人間が点検する必要があります。
Axie Coreをどうゲームへ組み込むか
公式発表では、全作品が「Axie Coreを中心としたゲーム」であることを要求しています。単にAxieの画像を背景へ置くだけではなく、Axieというキャラクターや世界観がゲームプレイへどのように関与するかを説明できる設計が重要です。
たとえば、Axie Infinity: Originsのように個体の特徴を戦闘へ反映する、Axieの育成や収集を進行システムへ結び付ける、Lunaciaを舞台に探索や交流を構成するといった方向が考えられます。ただし、既存作品の仕組みをそのまま模倣するのではなく、制作するゲーム固有の遊びへ落とし込む必要があります。
Sky Mavisが提供するBuilder Resource Kitには、利用可能なAxie素材、ゲームエンジン向けガイド、API設定資料、Axie Infinity: Originsを基にしたOrigins Battle Kitが含まれます。3D制作向けにはベータ版のThree.js Axie Mixerも用意されていますが、公式は環境によって円滑に動かない可能性を案内し、初期プロトタイプでは準備済み3Dモデルの利用を推奨しています。
第1ラウンドでは、Axieのアート素材、NFT、オンチェーンデータ、Sky Mavis APIの利用は必須ではありません。まずゲームとして成立するかを検証し、最終候補に選ばれた後、承認された素材やブロックチェーン機能を統合できる構成にしておくことが現実的です。
審査基準と賞金の仕組み
第1ラウンドの審査では、Axie Coreとの適合性が35%、ゲームプレイが25%、製品ビジョンが20%、実現可能性が10%、プロトタイプおよび資料の品質が10%を占めます。提出作品は採点前に参加資格と安全性の審査を受け、有効な作品には3人の審査員が独立して点数を付けます。
配点を見ると、映像の豪華さだけでなく、「なぜAxieでなければならないのか」と「今すぐ遊んで面白いか」が重視されていることが分かります。たとえばAxie Infinity: Originsの素材を大量に使っても、操作の目的や勝敗条件が曖昧なら、ゲームプレイや実現可能性の評価を伸ばしにくいでしょう。
20,000 bAXSの賞金は、単独の優勝者へ一括で渡されるのではなく、受賞者、最終候補、特に優れたプロトタイプへ分配されます。第2ラウンドへ進めなかった作品を対象とする「Promising Prototype」には500 bAXSの枠があります。また、第2ラウンドへ進んだ各ファイナリストにはAIツール支援として250 USDCが用意されています。
なお、受賞や最終候補への選出は、Sky Mavisとの継続開発や正式リリースを自動的に保証するものではありません。大会参加と将来の商業契約は分けて考える必要があります。
bAXSを賞金として受け取る際の注意点
bAXSは「Bonded AXS」と呼ばれる、Axie Infinityエコシステム向けのトークンです。Sky Mavisの公式ガイドによると、獲得したアカウントに結び付くためウォレット間で直接移転できず、スマートコントラクト内のAXSによって1対1で裏付けられています。
App.Axieでは、Breeding、Ascending、Evolving、Axie Infinity: OriginsのRuneやCharmのミント、AXS Stakingなど、対応するAxie Core機能でbAXSを利用できます。一方、bAXSから通常のAXSへ変換する際の交換率は、利用者のAxie Score Designationに基づいて決まります。したがって、賞金額をそのまま同額の換金可能なAXSとして扱うのは正確ではありません。
BlockchainGamerが掲げた約18,000ドルという数字も、発表時点における20,000 bAXSの参考換算です。参加を検討する際は、見出し上の米ドル額だけでなく、bAXSの移転制限、エコシステム内での用途、AXSへ変換する条件を公式ガイドで確認してください。
開発者が実践したい制作手順
短い第1ラウンドで重要なのは、AIにゲーム全体を一度に生成させることではありません。まず「プレイヤーが何を操作し、何を達成し、なぜもう一度遊ぶのか」を一文で定義します。そのうえで、Axieを動かす、敵や障害物へ反応する、結果を表示する、再挑戦するという最小のゲームループを作ります。
次に、Axie Infinity: OriginsやLunaciaとの関係を仕様書へ整理し、Builder Resource Kitの素材やAPIを後から追加できる境界を設けます。第1ラウンドでは固定データを使い、第2ラウンドでSky Mavis APIや承認済みブロックチェーン連携へ置き換える方法なら、外部接続の不具合でゲーム自体が遊べなくなるリスクを抑えられます。
AIツールには、機能単位で指示を与えるのが有効です。「Three.jsでAxieを表示する」「衝突判定を追加する」「ゲームオーバー後に状態を初期化する」と分割し、生成のたびにブラウザで確認します。AIが出力したコードを採用した理由や修正内容も記録しておけば、提出時のAIツール利用説明やリポジトリの整理に役立ちます。
最後に、Axieを知らない人にも試してもらいましょう。操作説明を読まずに開始できるか、最初の失敗からルールを理解できるか、再挑戦したくなるかを確認すると、ゲームプレイと製品ビジョンの両方を改善できます。
まとめ
Axie Vibeathonは、AIコーディングを入口に、Axie Infinityの新しい遊び方をコミュニティから募る開発大会です。賞金総額は20,000 bAXSで、第1ラウンドのプロトタイプ審査を経て、最大8作品が第2ラウンドへ進みます。
応募ではブラウザで遊べるゲーム本体だけでなく、ピッチ、説明文、操作方法、リポジトリ、予備動画、AIツールの利用記録、Axie Coreとの適合性が必要です。Builder Resource Kit、Origins Battle Kit、Three.js Axie Mixerなどの支援素材はありますが、評価の中心は素材の量ではなく、Axieらしさとゲームとしての面白さです。
また、賞金のbAXSには通常の暗号資産とは異なる移転・変換条件があります。参加者は公式ルールとbAXSガイドを確認し、まず小さくても安定して遊べるゲームループを完成させることが重要です。

