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AnimocaとAWS、AIサッカー大会を開催|仕組みと参加方法
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AnimocaとAWS、AIサッカー大会を開催|仕組みと参加方法

RRen.S(gamefi.jp編集部)公開日: 2026-09-05

📋 この記事のポイント

  • 1Animoca BrandsのMindsとAWSが、自然言語でAI選手を育成するAgentic Football Cupを開始。
  • 2大会形式、技術的な仕組み、参加条件、賞金、GameFi業界への影響を解説します。
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Animoca BrandsのAIプラットフォーム「Minds」とAmazon Web Services(AWS)は、自然言語で自律型AI選手を指導する「Agentic Football Cup – Virtual League」を開始する。

参加者はコードを書かずに5人のAI選手へ戦術を設定し、7週間の自動対戦を勝ち抜く。これは従来のPlay-to-Earnではなく、プロンプト設計とAIエージェントの判断を競技化した新しいゲーム体験だ。

Agentic Football Cupとは

Agentic Football Cup – Virtual Leagueは、Minds by Animoca BrandsとAWSが展開する、ブラウザベースのAIサッカー大会である。参加費は無料で、プログラミング経験も必要ない。

プレイヤーが直接キャラクターを操作する一般的なサッカーゲームとは異なり、本作で担当するのは監督だ。各参加者はゴールキーパー1人とフィールドプレイヤー4人からなる5人制チームを編成し、それぞれを独立したAIエージェントとして育成する。

選手への指示には、日常的な英語を使う。たとえばディフェンダーには「中央をコンパクトに保ち、相手のストライカーをマークする」、ミッドフィールダーには「前方へのパスを探しつつ、ボールを失ったら素早く戻る」といったプレイブックを設定できる。

大会は2026年9月11日に始まり、毎週末に各チームが10試合を戦う。公式サイトでは最大6リーグ、各リーグ最大2,000チームという構成が案内されており、最大規模では12,000チームが参加する計算になる。

AI選手は2秒ごとに状況を判断する

Agentic Football Cupの特徴は、試合中の選手が事前に決められたアニメーションを再生するのではなく、基盤モデルを使って継続的に行動を選ぶ点にある。

試合システムは2秒ごとに、ボールの位置、全選手の位置と移動方向、スタミナ、得点、残り時間などを各AIエージェントへ渡す。エージェントは受け取った状況とプレイブックを参照し、移動、パス、シュート、ドリブル、プレス、マーク、インターセプト、タックル、クリアなどの構造化された行動を選択する。

判断に使える時間は1秒だ。応答が間に合わない場合や、システムが解釈できない形式を返した場合、その選手は該当サイクルで何も行動しない。つまり、長く複雑な指示を書けば強くなるとは限らない。役割が明確で、短時間でも判断に利用しやすいプレイブックを作る必要がある。

AWSの技術ワークショップ版では、Strands AgentsとAmazon Bedrock AgentCoreを利用し、参加者が構築した5つのエージェントをクラウド上へ配置する。Virtual Leagueはコード不要の形式だが、リアルタイムな状態入力、構造化出力、厳格な遅延制限という基本設計には、実務向けAIエージェントと共通する要素が多い。

試合中の指示も強制命令ではない

参加者は練習試合の動きを確認しながら、各選手のプレイブックを修正できる。フォワードが必要以上に下がるなら攻撃時の位置を明確にし、守備陣が中央へ集まりすぎるなら担当範囲を整理するといった改善が可能だ。

本番中も「もっと高い位置からプレスする」「中央を狭く守る」といったタッチラインからのメッセージを送れる。ただし、このメッセージはゲーム内の選手を強制的に動かす操作ではない。追加の文脈としてAIへ渡され、実際に従うべきかは各エージェントが現在の試合状況を踏まえて判断する。

たとえば相手の速攻を受けている最中に守備ラインを上げるよう指示しても、ディフェンダーが危険だと判断すれば従わない可能性がある。この仕組みにより、監督の意図とAIの自律判断が常に一致するとは限らない。指示そのものだけでなく、AIが誤解しにくい条件や優先順位を設計することが攻略要素になる。

同じ戦術を全員へ与えるより、「ボール保持時」「非保持時」「リード時」「終盤に負けている場合」のように状況を分け、それぞれの役割が衝突しないよう調整する方が実用的だろう。

Assistant Coach Mindがチーム改善を支援

参加者には「Assistant Coach Mind」と呼ばれる専属AIコーチも提供される。これは試合中の5選手とは別の、チームとシーズンの情報を継続的に記憶するAIエージェントだ。

Assistant Coach Mindには、大会のルールやチーム運営について質問できるほか、試合結果の要約を分析させ、選手のプロンプトをどう直すべきか相談できる。単発のチャットボットではなく、過去の経緯を踏まえて継続的に支援する点がMindsの特徴である。

初心者にとってはチュートリアル兼戦術アドバイザーになり、経験者にとっては改善サイクルを速める分析役になる。試合を見る、問題を言語化する、AIコーチへ相談する、プレイブックを更新する、次の試合で検証するという流れが、ゲームの中心的なループになる。

これは実際のAIサービス開発で行われる評価と改善にも近い。Axie InfinityやThe SandboxのようなWeb3ゲームが、資産所有やユーザー制作コンテンツをゲーム体験へ組み込んできたのに対し、Agentic Football CupはAIへの指示、記憶、観察、再調整を遊びへ変換している。

大会日程とラスベガス決勝

Virtual Leagueは7週間にわたって実施され、試合は毎週金曜日から日曜日に自動進行する。参加者がオンラインで観戦できない場合でも、最後に保存したプレイブックを使ってチームが出場する。

各リーグの優勝6チームとワイルドカード4チームの合計10チームが、ラスベガスで開かれるAWS re:Invent 2026のGrand Finaleへ進む。対象者には往復航空券、宿泊、re:Inventへの入場権、500米ドルの滞在費が提供されると案内されている。

Grand Finaleの賞金は、1位が30,000米ドル、2位が15,000米ドル、3位が5,000米ドルで、合計50,000米ドルとなる。ここで注意したいのは、この賞金がオンラインリーグ全体へ分配される報酬ではなく、AWSのGrand Finaleに設定された賞金であることだ。

AWS re:Inventの開催期間は2026年11月30日から12月4日まで。参加希望者は、大会公式サイトの最新日程とOfficial Rulesを確認しておきたい。公式ルールでは18歳以上、または居住地域で定められた成人年齢以上であること、1人1エントリーであることなどが参加条件として示されている。対象外となる国・地域もあるため、日本から登録する場合もフォーム上の資格確認が必要だ。

GameFi・Web3ゲームへの影響

Animoca BrandsはThe Sandbox、GAMEE、Moca Networkなど、ブロックチェーンゲームやデジタル所有権に関係する事業を幅広く展開してきた。一方、今回のAgentic Football Cupについて、公式案内にはNFTの発行、暗号資産報酬、トークン利用といった仕組みは記載されていない。そのため、現時点で本大会をPlay-to-Earn型のブロックチェーンゲームとして扱うのは適切ではない。

それでもGameFi業界にとって重要なのは、AIエージェントが新たなプレイヤーキャラクターになり得ることだ。従来のゲームAIは開発者が行動ルールを実装するケースが中心だったが、Agentic Football Cupではユーザー自身が自然言語で人格、役割、判断方針を設計する。

この発想をWeb3ゲームへ応用すれば、プレイヤーが育てたAIキャラクターを複数のゲームやコミュニティで継続利用する、DAOの運営補助を行うエージェントをゲーム内へ登場させる、ユーザー生成コンテンツの制作をAIが支援するといった方向性が考えられる。ただし、これらは将来の応用可能性であり、Agentic Football Cup自体に実装済みの機能ではない。

重要なのは「AIを登場させたゲーム」ではなく、「AIの判断を観察し、指示を改善する行為そのものがゲームになる」という設計だ。資産価値を中心に据えなくても、継続的な育成、競争、チームへの愛着を生み出せる点は、GameFi開発者にとって参考になる。

参加前に押さえたい実践ポイント

最初に決めるべきなのは、チーム全体の戦術である。ハイプレス、守備重視、速攻、ポゼッションなどの方向性を定め、その後で各選手の役割を割り当てる。選手ごとの文章を別々に作るだけでは、複数のエージェントが同じ場所へ集まったり、全員が攻撃へ参加して守備が空いたりする可能性がある。

次に、1回の修正で多くの条件を変えすぎないことが重要だ。練習試合後は「フォワードのシュート判断を早める」「ディフェンダーの担当範囲を狭める」など、変更点を限定した方が結果との因果関係を追いやすい。

また、1秒以内に構造化された行動を返す仕様を考えると、長大な背景設定よりも、優先順位と例外条件が明確な指示が向いている。Assistant Coach Mindへ相談する際も、単に「強くして」と頼むのではなく、「失点時にどの選手が持ち場を離れていたか」「パスとシュートの判断に矛盾がないか」のように具体的な問いを立てると改善につながりやすい。

最後に、登録前には公式ルールを確認する必要がある。参加資格、対象地域、日程、渡航条件、個人情報の取り扱いは更新される可能性があり、報道記事より公式サイトとOfficial Rulesが優先される。

まとめ

Agentic Football Cup – Virtual Leagueは、Minds by Animoca BrandsとAWSが共同で展開する、5人の自律型AI選手を自然言語で指導するオンライン大会だ。コードを使わず、プレイブックの設計、練習試合、試合分析、Assistant Coach Mindとの対話を通じてチームを改善できる。

技術面では、2秒ごとの状態入力、1秒以内の意思決定、構造化された行動出力という厳格な仕組みが採用されている。監督の指示へ機械的に従うのではなく、AIが状況に応じて判断するため、プロンプトの明確さとチーム全体の整合性が勝敗を左右する。

NFTやトークンを前面に出した大会ではないものの、AIエージェントの育成と競争をゲーム化した事例として、GameFi・Web3ゲームの次世代設計を考えるうえでも注目に値する。

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