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PvEとは?ゲームで稼ぐ仕組みを解説【Web3/GameFi】

編集部公開日: 2025/11/25最終更新: 2026/3/22

PvE(プレイヤー対環境)とは?

PvE(Player versus Environment)とは、プレイヤーがゲーム内のコンピュータ(AI)が操作するキャラクターや、あらかじめ設計された環境(ダンジョン、クエストなど)を相手にプレイするゲームモードのことです。対人戦を意味する「PvP(Player versus Player)」とは対照的な概念であり、多くのオンラインゲームで採用されています。GameFiやブロックチェーンゲームの世界では、このPvEがトークンやNFTを獲得する主要な手段の一つとして機能しており、エコシステムの根幹を支えています。

GameFi・ブロックチェーンゲームにおけるPvEの特徴

従来のゲームにおけるPvEは、主にストーリーの進行やキャラクターの育成、アイテム収集が目的でした。一方、GameFiにおけるPvEは、これらの要素に加えて「Play to Earn(P2E)」、つまり「遊んで稼ぐ」という経済的なインセンティブが強く結びついているのが最大の特徴です。

プレイヤーはPvEコンテンツをクリアすることで、FT(Fungible Token)やNFT(Non-Fungible Token)といったデジタル資産を獲得できます。例えば、2021年にP2Eブームを牽引した「Axie Infinity」では、アドベンチャーモードというPvEで「SLP(Smooth Love Potion)」というFTを獲得できました。このSLPは、DEX(分散型取引所)であるUniswapなどでイーサリアム(ETH)やUSDCといった他の暗号資産と交換することが可能でした。このように、ゲーム内での活動が現実世界の金銭的価値に直結する点が、Web3ゲームにおけるPvEの革新性です。

代表的なPvE要素を持つWeb3ゲーム3選

現在、多くのWeb3ゲームが多様なPvEコンテンツを提供しています。ここでは代表的な3つのタイトルを紹介します。

1. Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)

Axie Infinityは、P2Eの概念を世界に広めた金字塔的タイトルです。プレイヤーは「Axie」と呼ばれるNFTキャラクターを3体編成し、PvEである「アドベンチャーモード」やPvPの「アリーナモード」で戦います。アドベンチャーモードでは、次々と現れるモンスターを倒してステージを進めていき、クリア報酬として暗号資産SLPやリソースを獲得できました(現在は仕様変更)。このシンプルなゲームサイクルは、多くのプレイヤーを惹きつけ、特に新興国ではゲームをプレイすることが仕事として成立するほどの社会現象を巻き起こしました。2021年のピーク時には、1日のアクティブユーザー数が200万人を超えるなど、その影響力は絶大でした。

2. Illuvium(イルヴィウム)

Illuviumは、Unreal Engine 5で開発されているAAA級のオープンワールドRPGです。プレイヤーは広大な世界を探索し、「Illuvial」と呼ばれる神秘的な生物を捕獲・育成して戦います。PvEのメインとなるのは、このオープンワールドでの探索と戦闘です。プレイヤーはIlluvialを捕獲するための「シャード」を使用し、バトルに勝利することでNFTとしてIlluvialを所有できます。捕獲したIlluvialは、PvEだけでなくPvPのアリーナで他のプレイヤーと戦わせることも可能です。美しいグラフィックスと戦略性の高いバトルシステムが特徴で、従来のゲームファンからも高い期待が寄せられています。

3. The Sandbox(ザ・サンドボックス)

The Sandboxは、ユーザーが自由にゲームやジオラマを作成できるメタバースプラットフォームです。ここでのPvEは、他のゲームとは少し異なります。The Sandboxでは、LAND(土地)の所有者が、購入したLAND上にオリジナルのゲームやクエスト、ダンジョンといった体験(エクスペリエンス)を制作し、一般プレイヤーに公開できます。例えば、大手ゲーム企業であるスクウェア・エニックスは『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の世界観をモチーフにしたエクスペリエンスを制作しています。プレイヤーはこれらのユーザー制作コンテンツを冒険し、クリエイターが設定した報酬(NFTアセットなど)を獲得できます。クリエイターエコノミーとPvEが融合した、Web3ならではの新しい形と言えるでしょう。

PvEで稼ぐ仕組みとPlay to Earn(P2E)

GameFiにおけるPvEでの収益化プロセスは、一般的に以下の流れをたどります。

  1. ゲームプレイ: PvEコンテンツ(クエスト、ダンジョン、デイリーミッションなど)をプレイします。
  2. 報酬獲得: クリア報酬として、ゲーム内トークン(FT)やNFT(装備、キャラクター、アイテムなど)を獲得します。
  3. 資産の移転: 獲得したトークンやNFTを、自身のウォレット(MetaMaskなど)に移します。
  4. 取引・換金: DEXやNFTマーケットプレイス(OpenSeaなど)で、獲得した資産を他の暗号資産(ETH, MATICなど)に交換したり、法定通貨に換金したりします。

このサイクルの魅力は、ゲームへの貢献(時間やスキル)が直接的な経済的リターンに繋がる点です。ただし、トークン価格の変動リスクや、プロジェクトの持続可能性(トークノミクス)に収益が大きく左右されるという側面も理解しておく必要があります。

PvEのメリットとデメリット

GameFiのPvEには、プレイヤーにとって多くのメリットがある一方で、いくつかの課題も存在します。

メリット:

  • 参入障壁の低さ: PvPに比べて、プレイヤースキルに依存しにくいため、初心者でも気軽に始められます。
  • 安定した収益期待: 高難易度のコンテンツを周回(Grinding)することで、比較的安定して報酬を得られる傾向にあります。
  • ストレスの少なさ: 対人戦特有の緊張感やストレスがなく、自分のペースで楽しめます。

デメリット:

  • 単調さ: 同じステージやクエストを繰り返すことが多く、作業的で飽きやすい側面があります。
  • インフレのリスク: プレイヤーが一方的にトークンやNFTを獲得し続けるため、運営側の調整がなければインフレを引き起こし、資産価値が下落するリスクがあります。
  • ボット(Bot)の問題: PvEの単純なタスクは自動化プログラム(Bot)の標的になりやすく、エコシステムの健全性を損なう可能性があります。

PvEの将来性と今後のトレンド

初期のP2Eゲームでは単純なクリックゲームのようなPvEが主流でしたが、今後はより高度で没入感のある体験へと進化していくと予想されます。

一つのトレンドとして、AI技術の活用が挙げられます。AIによって生成される無限のダンジョンや、プレイヤーの行動に適応して戦略を変える敵キャラクターなどが登場すれば、PvEの単調さは大幅に改善されるでしょう。また、より豊かなストーリーや世界観を重視した、ナラティブドリブンのPvEコンテンツも増えていくと考えられます。これにより、プレイヤーは「稼ぐため」だけでなく、純粋に「楽しむため」にゲームをプレイするようになり、GameFiエコシステム全体の持続可能性が高まります。

まとめ

PvEは、GameFiおよびWeb3ゲームにおいて、プレイヤーがデジタル資産を獲得するための重要な入り口です。対人戦が苦手なプレイヤーでも参加しやすく、エコシステムのユーザーベースを拡大させる上で不可欠な要素と言えます。初期の単純なモデルから、現在はAAA級タイトルに見られるような高品質で複雑なPvEへと進化を続けています。今後、AI技術や優れたストーリーテリングとの融合により、PvEは「稼ぐ」手段であると同時に、プレイヤーを心から魅了する最高のエンターテイメント体験を提供していくことになるでしょう。

参考文献

  1. https://axieinfinity.com/
  2. https://www.illuvium.io/
  3. https://www.sandbox.game/jp/
  4. https://coincheck.com/ja/article/493