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P2E vs P&E徹底比較:Web3ゲームの未来を解剖【2026年版】
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P2E vs P&E徹底比較:Web3ゲームの未来を解剖【2026年版】

RRen.S(gamefi.jp編集部)公開日: 2026-03-29最終更新: 2026-04-08

📋 この記事のポイント

  • 1概要: NFTとしてのアクシーを収集、育成、バトルさせることで、ゲーム内トークンであるSLP(Smooth Love Potion)を獲得するターン制カードバトルゲームです。ガバナンストークンとしてAXS(Axie Infinity Shards)も存在します。
  • 2特徴: 2021年のブームを牽引し、フィリピンなどの新興国で「代替収入源」として機能しました。初期には数千ドルを稼ぐプレイヤーも出現し、社会現象となりました。
  • 3課題: SLPの供給過多による価格暴落、新規プレイヤーの減少、ゲームプレイの単調化、高額な初期投資(アクシーNFTの購入)が参入障壁となり、持続的な経済モデルの維持に苦戦しました。2022年3月にはRonin Bridgeへのハッキング被害も発生し、信頼性にも影を落としました。その後、ゲーム性の改善や経済モデルの調整を試みていますが、かつての熱狂を取り戻すには至っていません。
  • 4概要: 「Move-to-Earn(M2E)」の代表格で、NFTスニーカーを保有してウォーキングやジョギングをすることで、ゲーム内トークンであるGST(Green Satoshi Token)を獲得するモバイルアプリです。ガバナンストークンとしてGMT(Green Metaverse Token)も存在します。
  • 5特徴: 健康増進と稼ぐ体験を組み合わせた斬新なモデルで、フィットネスアプリとWeb3を融合させたことで大きな話題となりました。初期にはスニーカーNFTが高騰し、多くのユーザーが参入しました。
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Web3ゲームの世界では、「Play-to-Earn(P2E)」と「Play-and-Earn(P&E)」という二つの概念が、その進化の方向性を巡って議論の中心にあります。P2Eは「稼ぐこと」を主目的とするモデルとして一世を風靡しましたが、その持続可能性に課題を抱えました。一方、P&Eは「ゲーム体験」を最優先しつつ、自然な形で「稼ぐ機会」を提供する、より洗練されたモデルとして、2026年現在、Web3ゲームの主流となりつつあります。この二つの違いを深く理解することは、Web3ゲームの未来を読み解き、持続可能なエコシステムを構築するために不可欠です。

Play-to-Earn(P2E)とは?その誕生と課題

Play-to-Earn(P2E)は、「遊んで稼ぐ」という直訳の通り、ゲームをプレイすることで暗号資産やNFTなどのデジタルアセットを獲得し、それを現実世界の価値に換金できるモデルとして、2021年から2022年にかけて世界中で大きな注目を集めました。その代表例は、ベトナムのSky Mavisが開発した『Axie Infinity』でしょう。プレイヤーはNFTとしてのアクシーを育成・バトルさせることで、ゲーム内トークンであるSLP(Smooth Love Potion)を獲得し、これを換金することで生計を立てることも可能になりました。

P2Eモデルは、特に新興国において、新たな雇用創出や経済的自立の機会を提供すると期待されました。しかし、その成功の裏側には、いくつかの深刻な課題が潜んでいました。

  1. 経済モデルの持続可能性の欠如: 多くのP2Eゲームは、新規プレイヤーの参入と投資に依存する「ポンジスキーム」的な構造に陥りがちでした。ゲーム内トークン(例: Axie InfinityのSLP)は、供給過多になりやすく、その価値は急落する傾向にありました。新規プレイヤーが減少すると、トークンの需要が減り、価格が下落。これにより、既存プレイヤーの収益性が低下し、さらにプレイヤー離れが進むという悪循環に陥りました。
  2. ゲーム性の軽視: 「稼ぐこと」がゲームプレイの主目的となるため、ゲーム自体の面白さや没入感が二の次になる傾向がありました。プレイヤーは効率的に稼ぐための単調な作業を繰り返し、ゲーム体験は労働に近づいていきました。これにより、一時的なブームは生み出せても、長期的なエンゲージメントを維持することは困難でした。
  3. ボットや自動化の問題: 効率的に稼ぐためにボットやスクリプトが横行し、人間のプレイヤーの機会を奪うだけでなく、ゲーム経済をさらに不安定にする要因となりました。
  4. 高い初期投資: 多くのP2Eゲームでは、プレイを開始するために高価なNFTを購入する必要があり、これが参入障壁となり、新規プレイヤーの獲得を阻害しました。

これらの課題は、P2Eモデルが持続可能なWeb3ゲームの未来を築く上での限界を示唆することとなりました。

P2Eモデルの具体例とその特徴

P2Eモデルは、Web3ゲームの黎明期を彩り、多くのプレイヤーに「ゲームで稼ぐ」という新しい概念を提示しました。ここでは、その代表的なプロジェクトとその特徴、そして直面した課題を具体的に見ていきます。

Axie Infinity

  • 概要: NFTとしてのアクシーを収集、育成、バトルさせることで、ゲーム内トークンであるSLP(Smooth Love Potion)を獲得するターン制カードバトルゲームです。ガバナンストークンとしてAXS(Axie Infinity Shards)も存在します。
  • 特徴: 2021年のブームを牽引し、フィリピンなどの新興国で「代替収入源」として機能しました。初期には数千ドルを稼ぐプレイヤーも出現し、社会現象となりました。
  • 課題: SLPの供給過多による価格暴落、新規プレイヤーの減少、ゲームプレイの単調化、高額な初期投資(アクシーNFTの購入)が参入障壁となり、持続的な経済モデルの維持に苦戦しました。2022年3月にはRonin Bridgeへのハッキング被害も発生し、信頼性にも影を落としました。その後、ゲーム性の改善や経済モデルの調整を試みていますが、かつての熱狂を取り戻すには至っていません。

Stepn

  • 概要: 「Move-to-Earn(M2E)」の代表格で、NFTスニーカーを保有してウォーキングやジョギングをすることで、ゲーム内トークンであるGST(Green Satoshi Token)を獲得するモバイルアプリです。ガバナンストークンとしてGMT(Green Metaverse Token)も存在します。
  • 特徴: 健康増進と稼ぐ体験を組み合わせた斬新なモデルで、フィットネスアプリとWeb3を融合させたことで大きな話題となりました。初期にはスニーカーNFTが高騰し、多くのユーザーが参入しました。
  • 課題: GSTの供給過多と需要のバランス崩壊により、GST価格が急落。これにより、新規参入者の投資回収期間が大幅に伸び、既存ユーザーのモチベーション低下を招きました。また、初期投資の高騰と、運動量に応じた収益の上限設定により、継続的な「稼ぎ」を追求することが難しくなりました。ゲーム性の深さやコミュニティによるガバナンスも、P&Eモデルと比較すると限定的でした。

これらのプロジェクトは、P2Eモデルが持つ可能性と同時に、その構造的な脆弱性を浮き彫りにしました。投機的な側面が強調されすぎた結果、多くのP2Eゲームは長期的な成功を収めることが困難でした。

Play-and-Earn(P&E)とは?ゲーム体験を重視する新潮流

Play-and-Earn(P&E)は、P2Eが抱える課題を克服するために提唱された、Web3ゲームの新しいパラダイムです。P&Eは、まず第一に「優れたゲーム体験」を提供することを重視し、その上で、プレイヤーがゲーム内で活動する結果として、デジタルアセットや報酬を獲得できる機会を提供するモデルです。

P&Eの根底にあるのは、「ゲームはまず面白くなければならない」という思想です。プレイヤーはゲーム自体を楽しむために参加し、その過程で得られるNFTやトークンは、ゲームへの貢献やスキル、時間に対する正当な報酬として位置づけられます。これにより、ゲームの持続可能性とプレイヤーのエンゲージメントが長期的に維持されることを目指します。

P&Eモデルの主な特徴は以下の通りです。

  1. ゲーム性の最優先: 高品質なグラフィック、没入感のあるストーリー、奥深いゲームシステム、戦略性など、従来のAAAタイトルに匹敵するゲーム体験を提供することに注力します。
  2. 多様な収益機会: 単純なトークン獲得だけでなく、NFTの作成・販売、土地やアイテムのレンタル、ステーキング、コミュニティイベントへの参加、ゲーム内コンテンツの制作(UGC)など、多様な形で価値を創出し、報酬を得る機会を提供します。
  3. 持続可能な経済モデル: トークンの発行量や消費メカニズムを慎重に設計し、デフレ要因を組み込むことで、インフレを抑制し、長期的なトークン価値の安定化を図ります。また、ゲーム内経済がプレイヤーの行動や需要と供給のバランスによって自然に機能するよう設計されます。
  4. コミュニティ主導のガバナンス: DAO(Decentralized Autonomous Organization)を通じて、プレイヤーコミュニティがゲームの方向性や開発、経済政策に対して発言権を持つことが重視されます。これにより、プレイヤーは単なる消費者ではなく、ゲームエコシステムの共同所有者としての意識を持つことができます。
  5. NFTのユーティリティ: NFTは単なる投機対象ではなく、ゲーム内で明確な機能や価値(キャラクター、アイテム、土地、アクセス権など)を持ち、ゲーム体験を豊かにする要素として活用されます。

P&Eは、Web3ゲームが「投機」から「エンターテイメント」へと成熟する過程を象徴する概念と言えるでしょう。

P&Eモデルの具体例と今後の展望

2026年現在、P&Eモデルを採用し、高品質なゲーム体験と持続可能な経済を両立させようとする多くのプロジェクトが登場しています。ここでは、その代表例と今後の展望を見ていきます。

Pixels

  • 概要: Roninネットワーク上に構築されたピクセルアートの農業・ライフシミュレーションゲームです。プレイヤーは土地を所有し、作物を育て、資源を採集し、クラフトすることでゲームを進めます。2種類のトークン($BERRYと$PIXEL)とNFT土地が存在します。
  • 特徴: シンプルながらも奥深いゲームプレイと、プレイヤー間の協力や交流が活発なコミュニティが特徴です。ゲーム内での行動が経済に直結し、プレイヤーはゲームを楽しむ中で自然とトークンやNFTを獲得できます。初期投資なしでプレイを開始できる「Free-to-Play」モデルも採用しており、参入障壁が低い点も強みです。継続的なアップデートとコミュニティイベントが活発に行われています。
  • 展望: PixelsはRoninチェーンの成功事例として、多くのユーザーをWeb3ゲームに呼び込んでいます。今後、さらにゲームコンテンツの拡充と、コミュニティ主導によるエコシステムの拡大が期待されます。

Illuvium

  • 概要: Unreal Engine 5で開発されたAAA級のオープンワールドRPG兼オートバトラーゲームです。プレイヤーは広大な世界を探索し、イルビアル(NFTモンスター)を捕獲・育成し、バトルさせます。ガバナンストークンである$ILVと、ゲーム内報酬トークンである$sILV2が存在します。
  • 特徴: 高品質なグラフィックとゲーム性、そしてWeb3要素のシームレスな統合が特徴です。イルビアルNFTの収集、育成、戦略的なバトルは、従来のゲームファンをも惹きつけます。DAOによるガバナンスが強力で、コミュニティがゲームの将来を決定する役割を担っています。ステーキングによる$ILVの獲得機会も提供されています。
  • 展望: Illuviumは、高品質なゲーム体験を提供することで、P&Eモデルの可能性を広げています。複数のゲームモード(Overworld, Arena, Zero)の統合と、eスポーツとしての発展が期待されており、Web3ゲームの新たなスタンダードを確立する可能性を秘めています。

The Sandbox / Decentraland

  • 概要: ユーザーが土地(LAND)をNFTとして所有し、その上に独自のコンテンツ(ゲーム、アート、イベントなど)を構築・収益化できるメタバースプラットフォームです。The Sandboxは$SAND、Decentralandは$MANAをそれぞれガバナンストークンとしています。
  • 特徴: 「クリエイターエコノミー」としてのP&Eモデルを体現しています。プレイヤーはゲームをプレイするだけでなく、自身がクリエイターとしてコンテンツを制作し、それを販売することで収益を得ることができます。著名ブランドやアーティストとのコラボレーションも活発で、多様な体験が提供されています。
  • 展望: メタバースの進化とともに、LANDの価値創出やUGC(User Generated Content)の重要性は増していくでしょう。AIによるコンテンツ生成支援や、より高度なインタラクション機能の実装により、P&Eの可能性がさらに広がると予想されます。

Star Atlas

  • 概要: Solanaブロックチェーン上に構築されたSFMMORPGです。プレイヤーは宇宙船や土地、施設などのNFTを所有し、広大な宇宙で採掘、貿易、戦闘、探査などを行います。$ATLAS(ゲーム内通貨)と$POLIS(ガバナンストークン)が存在します。
  • 特徴: AAA級のグラフィックと、複雑な経済シミュレーション、政治システムが特徴です。プレイヤーの行動がゲーム内経済や勢力図に直接影響を与える、高度な自由度と没入感を提供します。NFTは単なるアバターではなく、ゲーム内での明確な機能と価値を持ちます。
  • 展望: Star Atlasは、その壮大なビジョンと技術力で注目されています。ゲームの完全な実装にはまだ時間がかかると予想されますが、モジュラーブロックチェーンや相互運用性の進化と相まって、Web3ゲームの可能性を拡張する長期的なプロジェクトとして期待されています。

これらのP&Eモデルは、ゲームの面白さを追求しつつ、Web3技術によってプレイヤーがゲームエコシステムに貢献し、その対価として報酬を得るという、より持続可能で健全なモデルを提示しています。2026年以降、この流れはさらに加速し、Web3ゲームはより幅広い層に受け入れられるエンターテイメントへと進化していくでしょう。

P2EとP&Eの決定的な違い:経済構造とゲームデザイン

P2EとP&Eは、一見すると「ゲームで稼ぐ」という点で共通しているように見えますが、その根底にある哲学、経済構造、そしてゲームデザインにおいて決定的な違いがあります。この違いを理解することが、Web3ゲームの真の価値と将来性を評価する上で重要です。

1. 目的と動機

  • P2E: 主な目的は「稼ぐこと」です。プレイヤーは収益性を最大化するためにゲームをプレイし、ゲームの面白さよりも効率を重視する傾向があります。動機は主に経済的リターンです。
  • P&E: 主な目的は「ゲームを楽しむこと」です。プレイヤーはゲームの面白さや没入感を求めて参加し、その結果として、あるいはゲームへの貢献の対価として報酬を得ます。動機はエンターテイメントと、ゲームエコシステムへの参加です。

2. 経済モデルの持続可能性

  • P2E: 新規プレイヤーの参入と投資に依存する傾向が強く、トークンの供給過多やインフレを引き起こしやすい構造です。外部からの資金流入が途絶えると、トークン価値が急落し、エコシステム全体が崩壊するリスクを抱えています。例: Axie InfinityのSLP、StepnのGST。
  • P&E: ゲーム内での多様な価値創造(コンテンツ制作、土地のレンタル、ステーキング、スキルに基づく報酬など)を通じて、より多角的な経済循環を構築します。トークンの発行と消費のバランスを慎重に設計し、デフレメカニズムやバーン(焼却)メカニズムを導入することで、長期的なトークン価値の安定化を図ります。また、ゲーム内NFTのユーティリティが重視され、その価値はゲーム体験と連動します。例: Illuviumの$ILV/$sILV2、Pixelsの$PIXEL/$BERRY。

3. ゲームデザインと体験

  • P2E: 効率的な稼ぎを追求するため、ゲームプレイが単調な反復作業になりがちです。ゲームの面白さやストーリー性は軽視され、プレイヤーは「労働」としてゲームを捉える傾向があります。ユーザーインターフェースやグラフィックも簡素なものが多いです。
  • P&E: 従来のAAAタイトルに匹敵する高品質なグラフィック、奥深いストーリー、戦略的なゲームプレイ、没入感のある世界観を提供することに注力します。プレイヤーはゲーム自体を楽しむことでエンゲージメントが高まり、自然とエコシステムに貢献します。クリエイターエコノミーやUGC(User Generated Content)を奨励するデザインも特徴です。

4. ガバナンスとコミュニティ

  • P2E: 運営会社がゲームの方向性や経済政策を主導することが多く、プレイヤーの意見が反映されにくい場合があります。
  • P&E: DAO(Decentralized Autonomous Organization)を通じたコミュニティガバナンスを重視します。ガバナンストークン保有者がゲームのアップデート、経済政策、資金配分などについて投票権を持ち、プレイヤーがエコシステムの共同所有者として積極的に関与します。これにより、ゲームの透明性と分散性が高まります。

5. リスクとリターン

  • P2E: 高いリターンを期待できる一方で、トークン価格の急激な変動やエコシステムの崩壊リスクも高いです。投機的な要素が強いと言えます。
  • P&E: ゲームを楽しむことが主目的であり、その結果として報酬を得るため、P2Eのような短期的な高リターンは期待しにくいかもしれません。しかし、長期的な視点で見れば、持続可能なエコシステムへの貢献を通じて、より安定した価値獲得の機会や、ゲーム内資産の価値向上を見込めます。

これらの違いは、Web3ゲームが単なる「稼ぐための手段」から「エンターテイメントと経済的価値が両立するプラットフォーム」へと進化していることを示しています。2026年以降、P&Eモデルが主流となることで、Web3ゲームはより健全で魅力的な市場へと成長していくでしょう。

Web3ゲームの未来:持続可能なエコシステム構築への道

P2EからP&Eへのパラダイムシフトは、Web3ゲームが投機的なブームから、より成熟したエンターテイメント産業へと変貌を遂げていることを明確に示しています。2026年以降、Web3ゲームの未来は、以下の要素によって形作られていくと予想されます。

  1. ゲーム性のさらなる向上とAAAタイトルの台頭: P&Eモデルの普及に伴い、グラフィック、ストーリー、ゲームシステムにおいて、従来のWeb2ゲームに匹敵、あるいはそれ以上の品質を持つAAA級のWeb3ゲームがさらに増えるでしょう。Unreal Engine 5などの最先端技術を活用し、没入感の高いゲーム体験が提供されます。これにより、Web3ゲームは既存のゲーマー層にも広く受け入れられるようになります。

  2. 多様な収益機会とクリエイターエコノミーの拡大: プレイヤーは単にゲームをプレイするだけでなく、NFTの作成、ゲーム内コンテンツの構築、イベントの企画・運営、ギルド運営、ストリーミングなど、様々な形でエコシステムに貢献し、報酬を得る機会が増えます。The SandboxやDecentralandのようなメタバースプラットフォームは、このクリエイターエコノミーをさらに加速させるでしょう。AI技術の進化は、コンテンツ生成のハードルを下げ、より多くのプレイヤーがクリエイターとして参加できる環境を整える可能性があります。

  3. 相互運用性(Interoperability)の進化: 異なるWeb3ゲームやメタバース間でNFTやアバター、デジタルアセットが相互に利用できるようになることで、Web3エコシステム全体の価値が高まります。これにより、プレイヤーは自分が所有するデジタル資産をより自由に活用できるようになり、ゲーム体験の幅が広がります。モジュラーブロックチェーン技術の発展は、この相互運用性を技術的に支援するでしょう。

  4. DAOによる真のコミュニティガバナンス: ガバナンストークンを通じたDAOの役割はさらに重要性を増し、プレイヤーコミュニティがゲームの進化に積極的に関与する形が確立されます。これにより、ゲーム開発はより透明性が高く、プレイヤーのニーズに即したものとなり、長期的なエンゲージメントと忠誠心が育まれます。

  5. スケーラビリティとユーザー体験の改善: レイヤー2ソリューション、サイドチェーン、アプチェーン、そしてより高速で低コストなブロックチェーン(例: Solana, Avalanche, Immutable X, Ronin)の進化により、トランザクション速度の向上とガス料金の低減が実現します。これにより、Web3ゲームのユーザー体験はWeb2ゲームと遜色ないレベルに達し、より多くの一般ユーザーがストレスなく参入できるようになります。

  6. 規制環境の整備と信頼性の向上: 各国の政府や規制当局によるWeb3ゲームへの理解が進み、適切な法的枠組みが整備されることで、市場全体の信頼性が向上します。これにより、大手ゲーム会社や機関投資家の参入が加速し、市場の健全な成長が促進されるでしょう。

Web3ゲームの未来は、単なる「稼ぐ」を超え、「遊び」と「価値創造」が融合した、持続可能で分散化されたエンターテイメントの世界を構築することにあります。P&Eモデルはその実現に向けた重要な一歩であり、2026年以降、私たちはその進化の加速を目の当たりにするでしょう。

ユーザーが選ぶべきはどちらか?投資と楽しみ方の視点

P2EとP&E、それぞれのモデルの特性を理解した上で、Web3ゲームに参入しようとするユーザーは、自身の目的とリスク許容度に応じて選択をする必要があります。

1. 投資(投機)目的の場合

もしあなたが短期的な高リターンを追求し、市場の変動リスクを積極的に取ることに抵抗がないのであれば、一部のP2Eゲーム(特に初期段階のプロジェクト)が魅力的に映るかもしれません。しかし、以下の点を十分に理解しておく必要があります。

  • 高リスク・高リターン: P2Eモデルは、トークン価格の乱高下が激しく、短期間で大きな利益を得られる可能性がある一方で、投資した資金を失うリスクも極めて高いです。過去の事例を見ても、多くのP2Eトークンはピークから大幅に下落しています。
  • 情報収集と分析の重要性: プロジェクトの経済モデル、トークノミクス、開発チーム、コミュニティの活性度などを徹底的に調査し、持続可能性を見極める必要があります。安易な情報に飛びつかず、自己責任で判断することが不可欠です。
  • 市場トレンドの把握: P2Eモデルは一時のブームが去り、現在は厳しい状況にあります。市場全体のトレンドがP&Eに移行していることを認識し、慎重な判断が求められます。

2. ゲーム体験と長期的な価値創造目的の場合

あなたがまずゲームを楽しむことを重視し、その上でゲームへの貢献を通じて長期的な価値を得たいと考えるのであれば、P&Eモデルのゲームが適しています。

  • エンターテイメント性の追求: P&Eゲームは、従来のWeb2ゲームに匹敵する、あるいはそれを超える高品質なゲーム体験を提供することを目指しています。ゲームを純粋に楽しむことができ、その過程で自然とデジタルアセットや報酬を獲得できるため、持続的なモチベーションを維持しやすいです。
  • 持続可能性と安定性: P&Eゲームは、より健全で持続可能な経済モデルを構築しようと努力しています。トークン価格の安定性や、ゲーム内資産の長期的な価値向上に期待できます。コミュニティガバナンスへの参加を通じて、ゲームの未来を共に築く喜びも得られます。
  • 多様な貢献機会: ゲームプレイだけでなく、コンテンツ制作、コミュニティ運営、イベント参加など、様々な形でエコシステムに貢献し、その対価を得ることができます。これは、単なる「稼ぐ」以上の充実感をもたらします。
  • 初期投資の低減: Pixelsのように、無料で始められるP&Eゲームも増えており、参入障壁が低くなっています。まずは無料でプレイしてみて、気に入れば投資を検討するという選択肢も可能です。

結論

2026年現在、Web3ゲーム市場はP&Eモデルへと大きく舵を切っています。短期的な投機目的であればP2Eも選択肢にはなり得ますが、リスクは非常に高いです。長期的にWeb3ゲームを楽しみたい、そして健全なエコシステムに貢献しながら価値を創造したいと考えるのであれば、P&Eモデルのゲームを選ぶことが賢明な選択と言えるでしょう。自身の目的を明確にし、各プロジェクトのホワイトペーパーやロードマップをしっかりと確認した上で、最適なWeb3ゲームを見つけてください。

まとめ

Play-to-Earn(P2E)とPlay-and-Earn(P&E)は、Web3ゲームの進化における二つの重要なフェーズを象徴する概念です。P2Eは「稼ぐこと」を主目的とし、一時は大きなブームを巻き起こしましたが、その持続可能性の課題やゲーム性の軽視が露呈しました。代表的なAxie InfinityやStepnの事例は、その成功と同時に、経済モデルの脆弱性を浮き彫りにしました。

これに対し、P&Eは「ゲーム体験」を最優先し、その上でプレイヤーがゲームに貢献することで自然に報酬を得られるモデルとして登場しました。高品質なゲームデザイン、多様な価値創出機会、持続可能な経済モデル、そしてコミュニティ主導のガバナンスがP&Eの核となります。Pixels、Illuvium、The Sandbox、Star Atlasといったプロジェクトは、P&Eモデルの可能性を実証し、Web3ゲームの未来を形作っています。

2026年現在、Web3ゲーム市場はP&Eモデルへと大きく移行しており、ゲーム性の向上、クリエイターエコノミーの拡大、相互運用性の進化、そしてDAOによる真のコミュニティガバナンスが、今後の発展を牽引するでしょう。ユーザーは、自身の目的(投資か、ゲーム体験か)に応じて適切なモデルを選択することが重要ですが、長期的な視点で見れば、P&Eモデルが提供する持続可能でエンターテイメント性の高い体験こそが、Web3ゲームの真価を発揮する道筋と言えます。

Web3ゲームはまだ発展途上にありますが、P2EからP&Eへの進化は、投機からエンターテイメントへの成熟、そしてより広範なユーザー層への普及に向けた重要な一歩です。この進化を理解し、その最前線で何が起こっているのかを常に注目することが、未来のデジタルエンターテイメントを理解する鍵となるでしょう。

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