gamefi.jp
GameFiギルドとは?仕組みや事例を初心者向けに解説
GameFi·7分で読める

GameFiギルドとは?仕組みや事例を初心者向けに解説

RRen.S(gamefi.jp編集部)公開日: 2026-02-05最終更新: 2026-03-22

📋 この記事のポイント

  • 1NFT資産の貸出: ゲームプレイに必須となるNFTをスカラーに提供します。
  • 2コミュニティ運営: DiscordやTelegramなどのツールを活用し、ゲームの攻略情報交換、戦略会議、初心者サポートなどを行います。
  • 3教育・トレーニング: Web3や暗号資産の知識が乏しい初心者向けに、ウォレットの作成方法から収益の出し方まで、包括的な教育プログラムを提供します。
  • 4新規ゲームへの投資: ギルドはDAO(自律分散型組織)として運営されることが多く、将来有望な新作ブロックチェーンゲームに対して、開発の初期段階から投資(Initial Game Offeringなど)を行うこともあります。
  • 5Yield Guild Games (YGG)
ポストLINE

GameFi(ゲーミファイ)ギルドとは、NFTゲームやブロックチェーンゲームで収益を上げることを目的としたプレイヤーのコミュニティ(組織)です。高価なゲーム内NFTを個人に貸し出す「スカラーシップ制度」を運営し、初期投資なしでゲームを始められる機会を提供することで、Web3ゲームの普及に大きく貢献しています。本記事ではその仕組みやメリット、代表的なギルドの事例について詳しく解説します。

GameFiギルド(Guild)とは?

GameFiギルドは、Play-to-Earn(P2E)やPlay-and-Earn(P&E)と呼ばれる「遊んで稼ぐ」モデルのゲームにおいて、プレイヤーが集まり協力し合う組織です。伝統的なオンラインゲーム(MMORPGなど)にもギルドは存在しましたが、GameFiにおけるギルドは、単なるコミュニティ機能に留まらず、経済的な結びつきが強いという特徴があります。

多くのNFTゲームでは、プレイを開始するために高価なNFT(キャラクターやアイテム、土地など)の購入が必要です。例えば、2021年にブームとなった「Axie Infinity」では、ピーク時には参入に10万円以上の初期投資が必要でした。このような経済的な参入障壁を解消するために生まれたのがGameFiギルドです。ギルドは組織として多数のNFTを保有し、それをプレイヤーに貸し出すことで、誰もがゲームに参加できる環境を構築しています。

ギルドの仕組みと主な活動内容

GameFiギルドの根幹をなすのが「スカラーシップ制度」です。これは、ギルドが保有するゲーム内NFTを、スカラー(Scholar)と呼ばれるプレイヤーに無償で貸し出す仕組みを指します。スカラーは、借りたNFTを使ってゲームをプレイし、得られた収益(暗号資産やNFT)の一部をレベニューシェアとしてギルドに支払います。報酬の分配比率はギルドやゲームによって異なりますが、一般的には「スカラーが70%、ギルドが30%」といった形が多く見られます。

ギルドの主な活動内容は以下の通りです。

  • NFT資産の貸出: ゲームプレイに必須となるNFTをスカラーに提供します。
  • コミュニティ運営: DiscordやTelegramなどのツールを活用し、ゲームの攻略情報交換、戦略会議、初心者サポートなどを行います。
  • 教育・トレーニング: Web3や暗号資産の知識が乏しい初心者向けに、ウォレットの作成方法から収益の出し方まで、包括的な教育プログラムを提供します。
  • 新規ゲームへの投資: ギルドはDAO(自律分散型組織)として運営されることが多く、将来有望な新作ブロックチェーンゲームに対して、開発の初期段階から投資(Initial Game Offeringなど)を行うこともあります。

これらの活動を通じて、ギルドは単なるNFTの貸し手ではなく、ゲームエコシステム全体を活性化させるインキュベーターのような役割も担っています。

プレイヤーがギルドに所属するメリット

プレイヤーにとって、ギルドへの所属は多くのメリットをもたらします。

  1. 初期投資の削減: 最大のメリットは、高価なNFTを購入することなく、無料でゲームを始められる点です。これにより、経済的なリスクを負わずにPlay-to-Earnを体験できます。
  2. 収益機会の獲得: 特に新興国のプレイヤーにとっては、ギルドを通じてゲームをプレイすることが、現実世界での重要な収入源となるケースも少なくありませんでした。
  3. 効率的な情報収集: ギルドのコミュニティに参加することで、経験豊富なプレイヤーから最新の攻略情報や稼ぎ方のコツを学ぶことができます。個人で情報を集めるよりも、遥かに効率的にゲームを進めることが可能です。
  4. 仲間との連帯感: 同じ目的を持つ仲間と一緒にプレイすることで、モチベーションを維持しやすくなります。チーム戦が重要なゲームにおいては、ギルド内での連携が勝利に直結します。

代表的なGameFiギルドの事例

世界には数多くのGameFiギルドが存在しますが、ここでは特に有名な事例を3つ紹介します。

  • Yield Guild Games (YGG) フィリピン発の世界最大級のGameFiギルドであり、この分野のパイオニア的存在です。2020年に設立され、「Axie Infinity」のスカラーシップで急成長を遂げました。YGGは世界中の数万人のスカラーを抱え、『The Sandbox』や『League of Kingdoms』など数十のゲームと提携しています。地域ごとにサブDAO(YGG JapanやYGG SEAなど)を設立し、グローバルにエコシステムを拡大しているのが特徴です。

  • Merit Circle (MC) DAOとして運営される大手ギルドで、強力な投資部門を持つことで知られています。ゲームへの投資、スカラーシップの提供、そして独自のゲーミングプラットフォーム「Beam」の開発など、多角的に事業を展開しています。2022年のデータでは、運用資産は1億ドルを超え、70以上のゲームに投資実績があります。透明性の高いガバナンスモデルを特徴としています。

  • Zentry (旧GuildFi) タイを拠点とするプロジェクトで、当初は「GuildFi」としてゲーマー向けのWeb3プラットフォームを提供していました。ゲームの発見、スカラーシップへの応募、自身のゲーム実績(ID)の管理などをワンストップで行えるのが強みでした。2024年に「Zentry」へとリブランドし、ゲームとソーシャルを融合させたエンターテイメント体験を提供する、より広範なエコシステムへと進化を遂げています。

ギルドがGameFiエコシステムに与える影響

GameFiギルドは、単にプレイヤーを支援するだけでなく、Web3ゲーム市場全体に大きな影響を与えています。

まず、ギルドは膨大な数の新規ユーザーを市場に呼び込む「オンボーディング装置」としての役割を果たします。ギルドが初期費用を肩代わりすることで、暗号資産に馴染みのない層でも気軽にゲームを始められます。これにより、ゲームのアクティブユーザー数が増加し、エコシステムが活性化します。

また、ギルドはゲーム開発会社にとっても重要なパートナーです。ギルドは多くの熱心なプレイヤーを抱えているため、新作ゲームのテストプレイやフィードバック提供において貴重な存在となります。有力なギルドと提携することで、ゲームはリリース初期から安定したプレイヤーベースを確保できるのです。

ギルドの課題と今後の展望

一方で、ギルドはいくつかの課題にも直面しています。Play-to-Earnモデルの持続可能性は大きなテーマです。暗号資産市場が弱気相場になると、ゲーム内トークンの価値が下落し、スカラーの収益も減少します。これにより、ギルドのビジネスモデルそのものが揺らぐ可能性があります。実際に、多くのギルドが収益の多角化や、Play-and-Earn(稼ぐことだけでなく、楽しむことを重視する)モデルへのシフトを進めています。

今後は、より高度なDAOガバナンスの導入や、スカラーのスキルを評価し、より良い条件を提供する仕組み(Credentialing)の整備が進むと考えられます。また、eスポーツチームの運営や、ゲーム内でのイベント開催など、活動の幅もさらに広がっていくでしょう。ギルドは、Web3ゲームの発展に不可欠なインフラとして、形を変えながら進化し続けることが予想されます。

まとめ

GameFiギルドは、NFTゲームの経済的な参入障壁を取り除き、世界中の人々に新たな収益機会を提供する画期的な仕組みです。スカラーシップ制度を軸に、コミュニティの力でプレイヤーを支援し、Web3ゲームエコシステム全体の成長を牽引してきました。市場の変化とともにビジネスモデルの変革も求められていますが、ゲームとプレイヤーを繋ぐ重要なハブとしての役割は今後も変わらないでしょう。

ポストLINE