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AIエージェントゲームとオンチェーンゲームの最新動向・仕組み・選び方
AIエージェントゲーム·9分で読める

AIエージェントゲームとオンチェーンゲームの最新動向・仕組み・選び方

RRen.S(gamefi.jp編集部)公開日: 2026-08-23

📋 この記事のポイント

  • 1AIが自律行動するゲームと、ルールや状態をブロックチェーンで管理するオンチェーンゲームを整理。
  • 2Virtuals、Parallel Colony、Eternumなどの事例から、技術構成、遊び方、リスク、選び方を解説します。
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AIエージェントゲームとは、AIキャラクターが目標、記憶、周囲の状況を基に行動を決めるゲームです。オンチェーンゲームは、資産だけでなくゲーム状態やルールの一部または全部をブロックチェーン上で実行・検証できるゲームを指します。

2026年の重要な変化は、この二つが接近し、AIが操作主体、ブロックチェーンが検証可能な世界基盤として使われ始めたことです。ただし、AI搭載やNFT対応だけで「完全オンチェーン」とは限りません。遊ぶ前に、どの処理がAI、サーバー、スマートコントラクトで行われるのかを確認する必要があります。

AIエージェントゲームは従来のNPCと何が違うのか

従来のNPCは、開発者が設定した会話ツリーや状態遷移に従って動くのが一般的です。これに対しAIエージェントは、現在の目標、ゲーム内状態、過去の記憶、利用可能な行動を入力として、次に何をするかを動的に選択します。

Virtuals ProtocolのGAME Frameworkでは、上位のAgentが目標に沿って計画を作り、専門的なWorkerとFunctionが具体的な処理を担当します。ゲーム側が「移動する」「会話する」「アイテムを使う」「取引する」といったFunctionを許可すれば、エージェントは状況に応じてそれらを選択できます。

Virtualsが公開したProject Westworldは、この考え方をRoblox上の複数エージェントによるシミュレーションへ応用した事例です。固定された台詞を再生するだけでなく、エージェント同士の交流から予定外の関係や物語が生まれることを狙っています。

Parallel StudiosのParallel Colonyも、AIエージェントを中心に据えたWeb3サバイバルシミュレーションとして設計されています。プレイヤーがキャラクターの行動を毎回直接入力するのではなく、方針や価値観を伝え、その結果を観察する設計が特徴です。ここでは「操作の上手さ」だけでなく、AIに何を任せ、どの判断へ介入するかがゲーム性になります。

オンチェーンゲームは資産所有から世界の検証へ進化

初期のブロックチェーンゲームでは、NFTやトークンだけをオンチェーン化し、戦闘、移動、報酬判定は運営サーバーで処理する構成が多く見られました。この方式にも資産をウォレットで保有できる利点はありますが、ゲームの結果やルールまで第三者が再検証できるとは限りません。

オンチェーンゲームでは、ゲームの状態をコントラクトへ記録し、許可された操作と状態変化を共通ルールで処理します。Latticeが開発するMUDは、Ethereum系ネットワーク上で複雑なゲームやAutonomous Worldを構築するためのオープンソース基盤です。MUDのWorld、Store、Systemという構成により、データ定義とゲームロジックを統一的に扱えます。

MUDの採用例として公式サイトにはEVE Frontier、Cafe Cosmos、Primodium、Biomesなどが掲載されています。各作品のゲーム設計は異なりますが、共通する方向性は、ブロックチェーンを単なるアイテム台帳ではなく、複数のクライアントや外部開発者が参照できる共有状態として使うことです。

ただし「オンチェーン」という表現の範囲はプロジェクトごとに違います。NFTだけがオンチェーンなのか、資源や座標も記録されるのか、戦闘結果までコントラクトで決まるのかを分けて確認しましょう。

DojoとCartridgeが改善するプレイ体験

完全に近いオンチェーン処理を採用すると、トランザクション待ち、手数料、署名回数、データ照会の遅さが課題になります。Starknet向けのDojoは、この問題をゲーム開発の側から解決するツールチェーンです。Cairoで記述するWorldとSystem、インデクサーのTorii、ローカル実行環境のKatana、デプロイ用のSozoなどを組み合わせ、検証可能なゲーム状態を扱います。

Dojo採用例のEternumは、Starknet上で展開されるストラテジーゲームです。領地、資源管理、軍隊、交易、同盟などを扱い、公式リポジトリでは「コントラクトがゲームであり、クライアントは窓口」と説明されています。Loot SurvivorもDojoのエコシステムに掲載されており、オンチェーンで進行するローグライクの代表例として確認できます。

プレイヤー側の摩擦を減らす役割を担うのがCartridgeです。Cartridge ControllerはPasskeyを利用した自己管理型アカウント、Session Token、Paymasterなどを提供します。これにより、ゲームが許可した操作を一定条件でまとめて実行したり、手数料をゲーム側が負担したりする設計が可能になります。

重要なのは、操作が簡単になっても権限確認が不要になるわけではない点です。Session Tokenの対象コントラクト、実行できる操作、有効期間を確認し、ゲームに必要な範囲を超える権限を与えないことが基本です。

AIとオンチェーンが融合すると何が生まれるか

AIエージェントとオンチェーン世界を組み合わせると、AIの行動結果を共有状態へ反映し、後から検証できるゲームを設計できます。例えばAI商人が市場で注文を出す、AI国家が資源を配分する、AI冒険者が装備を取得するといった行動を、許可されたコントラクト操作として記録できます。

Virtuals Protocolでは、エージェントが独自ウォレットを持ち、オンチェーン操作をFunctionやプラグインとして利用できる設計が示されています。一方、MUDやDojoは、エージェントが接続できる共有世界とゲームルールを提供します。両者は競合するだけでなく、AIの意思決定層とオンチェーンの実行・検証層として組み合わせられる関係です。

実用上は、すべての思考過程をオンチェーンへ保存する必要はありません。LLMによる計画、自然言語会話、画像生成はオフチェーンで処理し、所有権移転、資源消費、勝敗、報酬など改ざん耐性が必要な結果だけをオンチェーンへ送る構成が現実的です。

この分業により、AIの柔軟性とブロックチェーンの検証可能性を両立できます。ただし、AIが誤った判断をしても、署名済みトランザクションが自動的に取り消されるわけではありません。AIへ渡す行動権限には、対象操作、利用可能資産、頻度、停止条件を設定する必要があります。

2026年に注目したい三つの最新動向

第一は、AIが会話役からゲーム内の行動主体へ移っていることです。VirtualsのGAME FrameworkやParallel Colonyでは、AIが記憶や目標を持ち、継続的に判断する設計が前面に出ています。生成AIによる台詞の追加だけではなく、経済、探索、交渉へAIを接続する方向です。

第二は、オンチェーンゲーム基盤がコントラクト開発だけでなく、インデックス、アカウント、手数料負担、低遅延実行まで含む統合環境へ進んでいることです。MUDは標準化されたWorldのインターフェースとEthereum系の開発環境を提供し、DojoとCartridgeはStarknet上で開発からログインまでをつなげています。

第三は、ゲームが単一クライアントに閉じない「Autonomous World」の考え方です。状態とルールが公開インターフェースで参照できれば、第三者が別画面、分析ツール、AIプレイヤー、新しい遊び方を追加できます。EVE Frontier、Eternum、Primodiumなどは、この構成を比較するうえで有用な事例です。

一方で、AIトークンやゲームトークンの価格変動は、ゲームの完成度や継続性を保証しません。2026年の評価軸としては、トークンの話題性より、実際に遊べるクライアント、公開ドキュメント、コントラクト、開発履歴、権限設計を優先すべきです。

プレイヤーが確認すべき安全性とゲーム品質

最初に確認したいのは「何がオンチェーンか」です。Eternumのようにゲームロジックと状態をコントラクト中心で扱う作品もあれば、アイテム所有だけをオンチェーン化する作品もあります。公式ドキュメントやコントラクトの案内がない場合、完全オンチェーンと決めつけないでください。

次にウォレット権限を確認します。Cartridge ControllerなどのSession Tokenを使う場合も、無制限の資産移動が許可されていないか、ゲーム外のコントラクトへアクセスできないかを確認します。高額資産を保管するウォレットと、ゲーム専用ウォレットを分ける方法も有効です。

AIエージェントを利用する作品では、自動実行の範囲が重要です。Parallel Colonyのようなシミュレーションでも、AIの判断がゲーム体験の中心であることと、現実の資産操作を無制限に任せることは別問題です。支出上限、確認画面、停止方法、行動履歴が提供されているかを調べましょう。

ゲーム品質については、AIが本当に状態を記憶しているか、同じ応答を繰り返さないか、失敗がゲームとして面白い結果につながるかを見ます。AIが自由に話せるだけでは、長期的なゲーム性にはなりません。Eternumの資源管理やProject Westworldの複数エージェント交流のように、AIやオンチェーン状態がコアループへ結び付いているかが判断基準です。

初心者向けの選び方と始め方

まず、AIとの対話や観察を楽しみたい人は、Virtualsのゲーム事例やParallel Colonyの公式資料から仕組みを確認すると理解しやすいでしょう。自分でAIを訓練するゲームなのか、性格や目標を設定するのか、AIの選択を観察するのかで体験は大きく異なります。

戦略や経済シミュレーションを重視する人は、Eternum、Primodium、Cafe Cosmosなどを比較してください。対応ネットワーク、必要なウォレット、テスト環境の有無、手数料負担、シーズン終了後に残る状態を公式ページで確認します。

開発者は、Ethereum系で幅広い構成を選びたい場合はMUD、StarknetとCairoを使った検証可能なゲームを作りたい場合はDojoを検討できます。ログインやSession Token、Paymasterが必要ならCartridgeのドキュメントも合わせて確認します。AIを接続するときは、GAME FrameworkのAgent、Worker、Functionという分離が権限制御の参考になります。

実際に遊ぶ際は、公式URLからアクセスし、少額または無料の環境で操作を試し、署名内容と自動実行権限を確認します。「AI」「完全オンチェーン」という宣伝文句ではなく、実装範囲を自分で確かめる姿勢が重要です。

まとめ

AIエージェントゲームは、NPCを固定シナリオから目標と記憶を持つ行動主体へ変えます。オンチェーンゲームは、NFTの所有だけでなく、ゲーム状態とルールを共有・検証できる世界へ発展しています。

Virtuals ProtocolとParallel ColonyはAI主体のゲーム設計、MUDはEthereum系のAutonomous World、DojoとCartridgeはStarknet上の検証可能なゲームと使いやすい操作環境を理解する代表例です。Eternum、Loot Survivor、Primodium、EVE Frontierなどを比べると、各技術が実際のゲームへどう結び付くかを確認できます。

今後の焦点は、AIが自律的に動くこと自体ではなく、その行動が面白いゲームループを生み、安全な権限のもとで検証可能な世界へ反映されるかです。プレイヤーは公式資料、オンチェーン範囲、ウォレット権限、停止方法を確認したうえで、自分に合う作品を選びましょう。

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